ニキビの治療をわかりやすく解説!

にきび

ニキビは、思春期から大人になっても悩まされることがある皮膚のトラブルです。ニキビの治療には様々な方法がありますが、正しい知識を持って治療に取り組むことが大切です。今回は、ニキビの治療について解説していきます。

ニキビの原因とタイプ

ニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の繁殖、炎症が組み合わさって発生します。主なニキビのタイプは以下の通りです。

白ニキビ

白ニキビは、毛穴が閉じた状態で皮脂や角質が詰まっているもので、小さな白いブツブツとして見えます。毛穴が皮膚で覆われているため、酸化が起こらず白っぽく見える特徴があります。主に、過剰な皮脂分泌や角質の詰まりが原因で発生します。白ニキビは、顔だけでなく背中や胸にもできることがあります。

黒ニキビ

黒ニキビは、毛穴が開いた状態で皮脂や角質が詰まっているものです。酸化した皮脂が黒く見えるため、黒ニキビと呼ばれます。黒ニキビは、特に鼻や顔のTゾーンに多く見られます。

赤ニキビ

赤ニキビは、炎症を伴うニキビで、赤みや腫れがあることが特徴です。炎症を起こす原因としては、アクネ菌の繁殖や皮膚のバリア機能の低下が挙げられます。赤ニキビでは赤く腫れた小さなしこりで、痛みを伴うものや、 中に膿が溜まった赤く腫れたニキビで、表面が白くなっているものがあります。

黄ニキビ

黄ニキビは、炎症を伴うニキビの一種で、中に膿(うみ)が溜まっていることが特徴です。膿は、白血球や細菌、死んだ細胞などが混ざり合ったもので、炎症の結果として生成されます。黄ニキビができた場合、潰さずに放置することが重要です。潰すと、感染の拡大や瘢痕(はんこん)形成が起こることがあります。

ニキビの治療方法

ニキビの治療方法は、症状の程度やニキビのタイプによって異なります。以下に、一般的なニキビの治療方法を詳しく解説します。

外用薬(塗り薬)

軽度のニキビには、主に外用薬が使用されます。主な外用薬には以下の種類があります。

アダパレン(ディフェリンゲル)

ディフェリンゲルは毛穴のつまりを改善 するお薬です 。皮膚の角化を調節し、毛穴のつまりを改善してくれます。1日1回、洗顔後に塗りましょう。目に見えない毛穴のつまりを意識して、ニキビの周りに広げるように塗りましょう。

過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)

ベピオゲルはニキビの原因となるアクネ 菌を殺菌し、毛穴のつまりを改善すること で、ニキビを治療するお薬です。1日1回、洗顔後に塗りましょう。目に見えない毛穴のつまりを意識して、ニキビの周りに広げるように塗りましょう。

アダパレン➕過酸化ベンゾイル(エピデュオゲル)

エピデュオゲルは過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)とアダパレン(ディフェリンゲル)の2つの成分が入っています。過酸化ベンゾイルでアクネ菌を殺菌し、アダパレンで毛穴のつまりを改善します。1日1回、洗顔後に塗りましょう。目に見えない毛穴のつまりを意識して、ニキビの周りに広げるように塗りましょう。

クリンダマイシン➕過酸化ベンゾイル(デュアック配合ゲル)

デュアック配合ゲルは、アクネ菌の増殖抑制効果ならびに抗炎症作用を有するクリンダマイシンと、抗菌作用、抗炎症作用、角質剥離作用を持つ過酸化ベンゾイル(BPO)を3%含有する製剤です。洗顔料を使って、顔全体をやさしく洗い、洗顔後は、柔かいタオルで水分をふき取ってください。その後適量を、ニキビとその周辺に、広げるように塗りましょう。

内服薬

中等度から重度のニキビに対しては、内服薬が処方されることがあります。

抗生物質

ドキシサイクリン(ビブラマイシン)やミノサイクリン(ミノマイシン)、ロキシスロマイシン(ルリッド)の抗菌薬を使用する事でアクネ菌の繁殖を抑える効果があります。赤くなったニキビ・化膿しているニキビに有効な治療となります。

ビタミンA誘導体(イソトレチノイン)

ニキビ治療の切り札と言われるイソトレチノインというビタミンAの一種が主成分となっている内服薬です。皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れています。日本では厚生労働省の認可が下りていませんが、欧米では広く使用されているニキビ治療に不可欠な薬剤です。

施術行為

面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)

専門の器具を使用して、膿を除去する治療法です。嚢胞性ニキビなど、膿が溜まったニキビに対して効果的です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、弱い酸を利用して肌の角質や毛穴の汚れを溶かし、肌のコンディションを整える施術です。グリコール酸、乳酸AHAやサリチル酸を用いたケミカルピーリングで面皰を改善することにより、炎症性皮疹が減少する事が期待できます。

光治療

特定の波長の光を照射して、アクネ菌の繁殖を抑制し、炎症を抑える効果があります。また、皮脂腺の機能を抑制することで、皮脂の過剰分泌を抑える効果も期待できます。

レーザー治療

アクネ菌の殺菌作用や皮脂分泌抑制作用,真皮コラーゲンの再構築など炎症を抑え皮膚の再生を促す効果があります。

自宅でできるホームケア

適切なスキンケアもニキビ治療において重要です。

洗顔

毛穴の汚れを洗顔で洗い流し、肌を清潔な状態にしておくことで、ニキビ予防につながります。ただし、洗顔しすぎると肌を乾燥させ、逆に皮脂の過剰分泌を引き起こすことがあるため、1日2回程度にしましょう。

保湿

乾燥肌もニキビの原因になることがあります。肌に合った保湿剤を使用し、乾燥を防ぎましょう。

バランスの良い食生活

・ビタミンAは皮膚の健康に必要な栄養素で、にきび治療にも役立ちます。にんじん、かぼちゃ、スイートポテト、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜がビタミンAを豊富に含みます。
・抗酸化作用のある栄養素は、細胞をダメージから守るために役立ち、にきびの炎症を軽減することができます。ブルーベリーやいちご、キウイフルーツ、チアシードなどの食品に多く含まれています。
・亜鉛は、皮膚の健康維持に必要な栄養素で、にきびの治療にも役立ちます。牡蠣、赤身の肉、豆類、ナッツ、種などの食品が亜鉛を豊富に含みます。

ストレスの軽減

十分な睡眠を取り、ストレスを解消する方法を見つけましょう(運動、瞑想など)。

ニキビ治療における注意点

ニキビの治療法は、症状やタイプによって異なります。まずは自分のニキビのタイプを理解し、適切な治療法を選びましょう。症状が改善しない場合や、自分で対処が難しい場合は、早めに皮膚科医に相談してください。